朝鮮学校無償化裁判不当判決!
朝鮮学校無償化裁判控訴審判決で、福岡高裁は10月30日、国の処分は違法ではないとした1審の判決を支持する不当判決を言い渡しました。
福岡県の小中学校で働く教職員のみなさんは、この問題をご存知でしょうか?そして、どのようにとらえているでしょうか?
朝鮮学校無償化裁判は、2010年に当時の民主党政権が導入した高校無償化について、2013年に自民党政権が、朝鮮学校を除外したことが発端となり、同年12月19日に九州朝鮮中高級学校の卒業生が提訴したことから始まりました。5年3ヵ月、20回にも及ぶ口頭弁論を経たにもかかわらず、福岡地方裁判所小倉支部は、2019年3月14日、「国の処分は違法ではない」という不当な判断を下しました。
2019年10月2日に、福岡高等裁判所において控訴審裁判が始まりました。弁護団や当事者は「政治外交上の理由で不指定にした処分は不当」であることを強く訴えてきました。そして、2020年10月30日に判決の日を迎えました。
福岡高裁の判決は、朝鮮学校に通う子どもたちや卒業生、その家族、「すべての子どもたちに等しくゆたかな教育を」と願う支援者や関係者の期待や努力をことごとく踏みにじるものとなりました。
高校無償化法の適用によって支給される就学支援金は、「学校」に対してではなく、生徒「個人」に支払われるものです。学校はあくまでも受給権者である生徒に代わって支援金を受領する「代理受領」を行っているにすぎず、どこで学ぶかによって支給の可否が問われるべきではありません。朝鮮学校の生徒を高校無償化制度から排除することは、「法の下の平等」を謳った憲法14条、人種によって教育上差別することを禁止している教育基本法4条に厳に反しており、人権侵害、民族差別となります。判決後の集会では、高校生たちや関係者が次々に怒りの声を挙げ、この日本で起きている差別のおかしさを訴えました。
みなさんは、今回の裁判所の判断をどのように感じますか?
国(政治)と裁判所の関係、日本に住む人々の差別に対する意識、「平等な教育」のあり方などについて…。朝鮮学校に通う子どもたちも私たちが毎日接している子どもたちと同様に、笑顔を大切にし、仲間と協力して過ごしています。自分の夢や目標に向かって努力を積み重ねています。なぜ、そんな素敵な子どもたちが、排除されなければいけないのでしょうか。
「人権」とは何か。「多文化共生」とは何か。一度、みんなが立ち止まって、あふれる情報や周りの雰囲気に振り回されることなく、正しく知ること、自分自身で確かめることが大切なのではないでしょうか。学校で子どもたちの前に立ち、多くのことを語る教職員ならば、なおさら、そうでありたいものです。
ぜひ一度、みなさんもこの問題について一緒に考えてみませんか?分かりやすい資料等もありますので、詳しく知りたい方は、同じ学校の組合員にぜひ声をかけてください。組合員のみなさんも、ぜひ、分会会議で議論してみましょう。