活動情報
日にち2024年04月01日

藤井隆晴執行委員長挨拶

現在、福教組がとりくむべき課題は、大きく3藤井委員長つあると考えています。

 1つめは、「長時間労働の是正」です。4月になり、あちこちの職場から「教員の未配置が生じている」という声が本部に寄せられています。教員不足は、全国的な問題ですが、福岡県は、残念ながら教員不足が全国最悪レベルの状況です。なぜ教員不足が生じるのか?理由は様々ですが、主因は言うまでもなく、「教員の長時間労働」です。そして、この長時間労働(過密労働)が、「教員志願者が減少する」「若年・早期退職者や病休者が増加する」といった事態を引き起こし、深刻な教員不足を招く結果となっています。

 福教組は、教員の長時間労働の是正に向けた世論喚起を図るため、24年1月に、「今、学校が大ピンチ!学校の働き方改革について考える福岡県集会」を高教組とともに開催しました。また、3回にわたり「業務削減」「人員拡充」、そして「定額働かせ放題」という状況を生み出している「給特法」の廃止を訴える街頭行動にとりくみました。

 中央教育審議会特別部会では、教員確保のため、23年より給特法の取り扱いも含めた議論がすすめられており、この5月には答申が出される見込みです。その際、現場教職員が求める答申が出されるよう、福教組は全国の仲間と連帯し、中教審・文科省に対する緊急署名にもとりくみました(福岡県は目標だった1万筆を超える12,809筆を集めました。全国必達目標は40万筆でしたが、なんと70万筆集まり、3月に提出を行ったところです)。

 いよいよ24年秋の臨時国会、あるいは25年1月からの通常国会に「給特法」改定案が提出されます。福教組・日教組はあくまで「給特法廃止」をめざし、次は国会に対する請願署名を実施するとともに、集会・街頭行動も展開していきます。

 同時に、給特法が廃止されれば、ただちに超勤問題が解決するわけではないことから(膨大な授業の実施を求める学習指導要領があるため)、現場段階における「予備授業時数確保の中止・最少化」、「不必要な業務の徹底した削減」のとりくみ・たたかいをすすめていかなくてはなりません。

 課題の2つめは、「子どもを中心とした民主教育の推進」です。22年度の小中学校における不登校の子どもは30万人にのぼっています。そして、こうした子どもたちに対して、「学校外でどうケアすべきか」ということが、検討され、実施されています。もちろんそうしたとりくみも必要ですが、最も肝心なことは、それだけ多くの子どもたちが行けなくなっている「学校のあり方」を問い直すことです。「学力向上が何より最優先」とされ、学校5日制の時代に学校6日制の時代の授業時数が実施され、まさに「詰め込み教育」状態となっていること、また「学校スタンダード」や「校則」などによって型にはめられてしまうことなど、学校が子どもにとって(教職員にとっても)「息苦しい」「窮屈な」場所となっています。

 23年に憲法・子どもの権利条約の精神に則り、「子ども基本法」が制定され、「子ども大綱」も策定されました。その中で強調されているのは、「すべての子どもが、自分に関わるあらゆる事柄に意見を表明する機会が確保されなくてはならない」ということです。あらゆる事柄のなかには、当然、教育政策・学校教育も含まれます。「学校教育は何のためにあるのか」という原点に立ち返りつつ、今の学校における「息苦しさ」「窮屈さ」の解消を図るため、教育課程や日課、スタンダードなどについて、子どもの意見を聞きながら見直していくことが求められます。

 課題の3つめは、やはり大幅な「組織の拡大」です。福岡県では24年4月に、小中合わせて約800人の新規採用者が各職場に赴任しました。新たな仲間たちを組織していかなければ、私たちの権利・労働条件も民主教育も守ることができません。大切なことは、やはり未加入の仲間たちに加入向けた声かけ・語りこみを行うことです。

 しかし、声をかけたから、話をしたから、すぐに組合の入るということにはならないでしょう。重要なのは日常です。「職場闘争の強化と組織拡大」は同時にすすみます。1人ひとりの仲間を支えるとりくみ、働きやすい職場づくりのとりくみが見えれば、組合の必要性が実感できるからです。また、「民主教育の推進と組織拡大」も同時にすすみます。1人ひとりの子どもを尊重し、ゆたかな学びを保障する実践もまた、組合の必要性を実感することにつながります。

 課題は山積していますが、職場には希望がたくさん転がっています。ちょっと動いただけ、発言しただけですぐに変わること(成果が出ること)が職場にはたくさんあります。

 そして、福教組本部は、教職員が健康で人間らしく働くとともに、自由かつ主体的に教育実践にとりくむことができるよう、また、子どもたちがいきいきと学校生活を送ることができるよう、今年度も全力を尽くしていきます。

 皆さん、共にがんばりましょう!

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