今週木曜日は「3・11」
今週の木曜日は「3月11日」です。東日本大震災・東電福島原発事故から10年の節目を迎えます。
東日本大震災は、死者・行方不明者約2万2千人、避難者約34万7千人(復興庁)となる未曾有の大災害でした。学校現場でも多くの尊い命が失われました。被災地の教職員は、震災直後から、自身が被災しているにもかかわらず、子どもや地域の安全確保のため不眠不休で対応しました。大震災発生から1ヵ月半後には、被災地域の多くの学校で学習活動が再開されました。
当時、福教組は日教組とともに、災害救援カンパ・ボランティアなどにとりくみましたが、全国各地からも、多くの救援物資や人的支援が被災地に集まりました。復興の歩みは、10年間止まることなく、今日まですすみ続けてきました。しかし、未だに約4万2千人(12月復興庁)が避難生活を強いられており、多くの課題が未解決のままです。
東電福島原発事故では、膨大な量の放射性物質が大気や海洋に放出しました。廃炉は決定したものの、高い放射線量に阻まれ、作業は遅々としてすすんでいません。さらに、避難指示の解除方法を示すことができない帰還困難区域があることや増え続ける放射性物質トリチウム汚染水の海洋放出問題など復興は途上にあります。
引き続き、教育復興に向け、子どもの心のケアや被災地支援にとりくむとともに、10年の節目にあたって改めて震災・原発事故を風化させず、近年頻発する大規模な自然災害などを含めた過去の経験・教訓をいかし、防災・減災教育を深め広げていかなければなりません。
今週は、各学校現場でも「3・11東日本大震災・東電福島原発事故」から学ぶ学習等が組まれていることでしょう。わたしたち福岡県教職員組合は、すべての子どもたちをはじめ、人々が安心して暮らせる社会の実現をめざしています。学校教育を通して、「平和・人権・環境・共生」を基底にすえながら、目先のテストの点数等に固執しない「ゆたかな学び」の保障にとりくんでいくことが大切です。
新型コロナウイルス感染症が終息しない中、学校現場で奮闘中の教職員のみなさん。今週は、ぜひ一度立ち止まって、10年前の出来事を振り返りながら、「社会のあり様」について、「教育・学力」について考えてみましょう。
福教組は、県内各地区において、さまざまな問題をテーマにし、定期的に学習会等も開催しています。興味関心をもたれた方は、お近くの組合員に声をかけていただくか、こちらのホームページからお問い合わせください。お待ちしています。